【CarX】カーカルチャーの侵略者!? INVADERZ.ccとは?


日本のカーカルチャーには、ひと括りにできないほど多くのスタイルが存在する。

スタンス、ドリフト、グリップ、ドレスアップ、ヘラフラッシュ、ローライダー……。

それぞれに歴史があり、独自の美学があり、そして、それぞれを愛する人たちがいる。

それは、CarXの世界でも同じだ。

実在するクルマや、かつて存在したスタイルを再現する者もいれば、「もし、こんなクルマが存在していたら?」という発想から、自分だけの一台を作り上げる者もいる。

さらには、過去のスタイルと現代のカーカルチャーを組み合わせ、「新しいカタチ」を生み出す者もいる。

そんなCarXの世界で、ジャンルにとらわれず、カッコいいクルマを作ってしまう奴らがいる。

その名は――INVADERZ.cc

名前は聞いたことがあるけれど、実際にはどんなクラブなのか?

どんなクルマを作り、どんな人間が集まっているのか?

事前にメンバーへ送ったアンケートの回答も交えながら、その実態を探ってみよう。

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Chapter1

INVADERZ.ccがどんなクラブなのか聞いてみた

まずは、INVADERZ.ccがどんなクラブなのか、リーダーのコータさんに聞いてみた。

返ってきたのは、意外にもかなりハッキリした答えだった。

「基本的には90年代から2010年までの、いわゆる『スポーツコンパクト』といわれるジャンルの車を作る人間で構成されたチームです。」

なるほど。

どうやらINVADERZ.ccのルーツは、いわゆる「スポコン」にあるらしい。

ただ、話を聞いていくと、単純にスポコンだけを作るチームというわけでもない。

VIPカーやストリートグリップ系、レーシング、海外スタイルなど、メンバーが作るクルマの方向性はそれぞれ違う。

では、そんな彼らをINVADERZ.ccたらしめているものは何なのか。

コータさんは、こんな話をしてくれた。

「チームのバナーが無くても『あ、この人インベーダーズの人なんだ』ってわかる車作りをできる人が集まってる。」

これが、今回話を聞いていて個人的に気になった部分だった。

同じジャンルのクルマを作ることが、クラブの条件ではない。

それぞれが違うクルマを作っているのに、なぜか「INVADERZ.ccらしい」と感じる。

その正体は、一体どこにあるのだろうか。

その答えを探るため、ここからはメンバーが実際に作ったクルマを見ていく。

まずは、クルマの細部まで作り込むおりゅーさん。

続いて、当時の空気感と自分の「カッコいい」を組み合わせるハムさん。

そして、「やってみたい」という発想を一台のクルマに落とし込むわびあすさん。

三人のクルマを順番に見ていけば、ジャンルだけでは分からないINVADERZ.ccの共通点も見えてくるはずだ。

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Chapter2

バナーがなくても「INVADERZ.cc」だと分かる

チームで活動しているなら、同じバナーを貼ったり、決まったカラーリングを使ったりして「チームらしさ」を出す方法もある。

でも、INVADERZ.ccの場合は少し違う。

メンバーそれぞれが好きなクルマを作っているのに、完成したクルマを並べると、なぜか同じクラブのクルマに見える。

しかも、コータさんによれば、特に意識して合わせているわけでもないらしい。

色やホイールが被ることもある。

ハムさんにも「INVADERZ.ccらしいと感じる瞬間」を聞いてみると、

「似たような仕様を相談せずに作ってたりするところ」

という答えが返ってきた。

「チームだから似せている」のではなく、そもそも好きなものが近いから自然と似てくる。

ハムさんもINVADERZ.ccについて、

「自分と好みが同じ人の集まり」

と語っている。

クルマのジャンルが完全に同じじゃなくても、根っこの部分で「カッコいいと思うもの」が近い。

だから、バナーがなくても何となく分かる。

INVADERZ.ccの“らしさ”は、そういう目に見えない部分にあるのかもしれない。

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Chapter3

そもそも、なぜスポコンなのか?

では、なぜINVADERZ.ccはスポコンを選んだのか。

ここにはクラブ結成のきっかけが大きく関係している。

今から約1年前。

コータさんが作った黄色いEclipseが、ある配信でお披露目された。

当時からCarXにはたくさんのカッコいいクルマが存在していたが、コータさんには「ちゃんとしたスポコンが少ない」という印象があった。

自身も若い頃にスポコンに触れていたこともあり、

「それならば自分が作ればいい。そして、ちゃんとしたスポコンでこの界隈に“侵略”してやろう」

と考えたという。

そこから生まれた名前が、INVADERZ。

今回のタイトルに「カーカルチャーの侵略者!?」と付けたくなるのも、この話を聞くとちょっと分かっていただけるのではないか。

当時はPS4でプレイしていたため、現在ほど自由にクルマを作れる環境ではなかった。

そんな中で、最初に集まったのがコータさんとおりゅーさんだった。

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Chapter4

きっかけは、黄色いEclipse

おりゅーさんを誘うきっかけになったのも、やはりあのEclipseだった。

コータさんが作ったEclipseを見たおりゅーさんが、

「エアロがDURAFLEX想定なのめちゃくちゃいい笑」

と配信でコメント。

それを見たコータさんは、

「ああ、もう入れるならコイツしかいねえわ」

と思ったという。

ただ、ここでおりゅーさんから返ってきたのが、

「レイヤー足りんすよ笑」

だった。

(当時のCS機ではレイヤー数に200枚という制限があったため、「200枚じゃ足りない」という意味だったのだろう。)

そして後日、配信中におりゅーさんが突然、INVADERZのバナーを付けたクルマを出してきた。

これにはコータさんもかなり嬉しかったらしい。ちなみに、この頃はまだ二人とも敬語。

しかもコータさんは、おりゅーさんが自分より13歳も年下だとは知らなかったという。

なんともCarXらしいというか、オンラインゲームから始まったチームらしいエピソードだ。

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Chapter5

「スポコンを作る」だけじゃない

INVADERZ.ccのクルマ作りについて、もう少し掘り下げてみよう。

コータさんによれば、メンバーはクルマを作るとき、かなり細かいところまで気を配っているという。

完成したクルマを見るだけではなく、

「このパーツは何を使っているんだ?」

「ここにはどんなオブジェクトを入れているんだ?」

「このリバリーはどうやって作っているんだ?」

と、クルマの“作り方”まで見る。

CarXでクルマを作ったことがある人なら分かると思うが、同じ車種、同じパーツを使っていても、作る人によって完成形は変わってくる。

だからこそ、細かいところまで見る人が集まると、クルマを見る目もどんどん細かくなっていく。

コータさんが「カッコいい」と感じるクルマについても、派手さだけが基準ではない。

スポコンなら、ちゃんとスポコンとして成立している。

VIPなら、ちゃんとVIPとして成立している。

そこに変な違和感がなく、作ろうとしたコンセプトが最後まで崩れていない。

そういうクルマを見ると「おぉ」となるらしい。

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Chapter6

「集大成」という一台――コータさんのS13 “Ember Riot”

ここまでINVADERZ.ccのルーツや、クルマ作りについて話を聞いてきた。

では、その中心にいるコータさん自身は、どんなクルマを作っているのだろうか。

今回見せてもらったのは、日産シルビア S13 K’s。

ビルドネームは――“Ember Riot”

CarXの中でも、まだ作る人が少ないスポコンというジャンルで、どうにか爪痕を残したい。

そんな思いが、この名前には込められているという。

そして、このクルマを一言で表すなら?

その問いに対するコータさんの答えは、

「集大成」

だった。

一台のクルマに、これまで積み重ねてきたものを詰め込む。

そんな“Ember Riot”が、どのようにして生まれたのか。

まずは、このS13を選んだ理由から聞いてみた。

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「S13だから」ではなく、「S13でできたから」

実は、S13を選んだ理由は少し意外だった。

コータさんが挙げたのは、

「内装が塗れるMODがあり、トランクも開いているMODがあったから」

というもの。

CarXでクルマを作る場合、実車のように好きなパーツを何でも取り付けられるわけではない。

だからこそ、「何を作りたいか」と「何ができるか」の両方を考えながらベース車を選ぶ必要がある。

それを可能にしたのが、このS13だった。

内装まで手を入れられる。トランクも開けられる。

つまり、外装だけではなく、車内やトランクまで含めて一台を作り込むことができる。

そして実際に完成したS13を見ると、この選択が後の作り込みに大きく繋がっていることが分かる。

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2000年代のスポコンを、S13で再構築する

製作のきっかけになったのは、サーバーに入ってきた「ジュンコブ」さんが公開していたS15顔のS13だった。

ビビッドなオレンジにレーシングハート、そしてモダンな雰囲気のバイナルグラフィック。

その姿に惚れたことから、今回のS13の製作が始まったという。

ただ、単純に「カッコいいS13」を作ったわけではない。

参考にしたのは、2004年にアーウィンデール・スピードウェイで開催された、NFS Underground 2のローンチイベント。

そこに登場したD1USAやFormula Drift参戦車両を軸に、当時のアメリカのスポコンシーンに存在した実車のシルビアなども参考にしながら、仕様を組み立てていった。

↑筆者も、現役当時死ぬほどお世話になったApex製AVC-RとBee-Rのレブリミッター。ペダル類も発光するアイテムをチョイスしている。

さらに、コータさん自身が影響を受けたカルチャーとして挙げているのが、2000年代のインポートチューニング文化だ。

つまり、このS13は単に「2000年代っぽいパーツ」を並べたものではない。

当時のカーカルチャーや実車を資料として掘り起こし、それをCarXの中で再構築した一台なのだ。

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「全ての車に勝つ為。」

では、なぜここまで作り込むのか。

現在の仕様になったきっかけについて聞くと、コータさんから返ってきた答えは意外にもシンプルだった。

「全ての車に勝つ為。」

かなり強い言葉だ。

ただ、このS13を実際に見ていくと、その「勝つ」という言葉が、単純に走りや速さだけを指しているわけではないことも見えてくる。

コータさんが車を作るうえで、一番こだわっているのは、

「全て実車ベースで仕様を組み立てて、付いているものも全て実車でいても何一つおかしくないようにしている」

ということ。

どんなパーツを付けるのか。

そのパーツは、実車ならどう取り付けられるのか。

配線はどこを通るのか。

パイプはどこからどこへ繋がるのか。

見た目だけを成立させるのではなく、その裏側まで考えて一台を組み立てている。

だからこそ、“Ember Riot”は近くで見るほど情報量が増えていく。

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「それっぽい」では終わらせない

そのこだわりは、バイナルにも表れている。

今回のバイナルグラフィックは、なんと95%がNFS Underground 2のバイナル。

実際にゲーム内で現物を確認し、それらを組み合わせている。

さらに、背景に描かれたビル群には、UG2のゲーム内に登場するベイビューシティのテクスチャを使用。

フロントガラスのハチマキにも、同じ世界観を取り入れている。

ここまで来ると、単純な「NFS風」ではない。

NFS Underground 2というゲームそのものが持っていた空気を、CarXの中で再現しようとしている。

そして、こうした“資料を元にした再構築”という考え方は、外装だけに留まらない。

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見た目だけでは分からない「作り込み」

そして、このS13で特に面白いのが、外から見えない部分まで設定されていることだ。

例えばトランクオーディオ。

MTXのサブウーファーやパイオニアのアンプ、モニター、NXタンクなどを配置しているだけではない。

アンプの配線が通る場所には、実際にケーブルが通っていることを想定した貫通穴までオブジェクトで再現している。

↑本当に芸が細かすぎる。もはや変態(とても良い意味での)領域である。

NXタンクの配管についても同様だ。

インテリア側では、リアシートを撤去して「バスタブ」と呼ばれる土台を作り、その上に大型のサブウーファーやアンプを配置。

さらに、アンプを支えるパイプの内部をケーブルが通るという設定まで作られている。

↑クルマの中でゲームに勤しむ。と、思ったらこれはエアサスのコントローラー。エアサスコントローラーにも遊び心が入っている。

「そこまで見えない(見ない)だろ」

そう思ってしまうような部分まで作る。

でも、コータさんにとっては、そこも一台のクルマを構成する大切な部分なのだろう。

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車造りに対する「気の遣い方」

今回、コータさんに「自分の車で、まず見てほしいポイント」を聞いた。

返ってきた答えは、

「車造りに対する『気の遣い方』を見てください。」

だった。

例えば、配線やパイプ。

ただ置くだけではなく、貫通する場所には丸穴を開ける。

見えない部分であっても、「そこを実車にしたらどうなっているのか」を考える。

この考え方を知ってからEmber Riotを見ると、先ほど紹介したトランクオーディオの作り込みも、また違って見えてくる。

派手なパーツを付けていることが凄いのではない。

そのパーツがそこに存在する理由まで考えている。

そこが、このS13の面白さなのだ。

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まだまだある「Ember Riot」の秘密

ここまで紹介したのは、このS13に込められたこだわりのほんの一部だ。

240U2エンブレムの製作方法。

ワイルド・スピード TOKYO DRIFTを意識したナンバー。

CCFLイカリングの発光部分。

専用に制作されたバイザーモニター。

オーディオを優先した結果、ハーネスを諦めて純正シートベルトを別車種から移植したこと。

さらに足回りにはユニバーサルエアーを想定したエアサスや、ROTORA “4 FORGED”、ホイールネオンまで組み込まれている。

そして何より、それぞれのパーツに**「なぜこれを選んだのか」**という理由がある。

ここまで来ると、一台のクルマというより、ひとつの資料集を見ているような感覚になってくる。

実際、コータさん自身も、

「とてもじゃないけどここでは説明しきれない」

と話している。

そこで用意されているのが、今回のS13をさらに深く掘り下げた専用ドキュメントだ。

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S13 “Ember Riot” 車両紹介ドキュメント

ビルドネーム「Ember Riot」の由来から、製作コンセプト、NFS Underground 2を参考にしたバイナル、カスタムオーディオ、インテリア、足回りまで。

コータさん自身が、一台のクルマに込めたこだわりを細部まで解説している。

この記事では紹介しきれなかった、

「なぜこのパーツなのか?」

「なぜこの配置なのか?」

「この仕様にはどんな元ネタがあるのか?」

といった部分まで追いかけたい人は、ぜひこちらも読んでみてほしい。

めちゃめちゃ設定が細かく、読むとなるほどなぁと関心してしまうくらいに説得力がある。本当に面白い。

▶「S13 “Ember Riot” 車両紹介ドキュメント」を読む

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こうして見ると、コータさんのS13は「派手なスポコン」という一言では片付けられない。

2000年代のインポートチューニング文化。

NFS Underground 2。

実車のスポコン。そして、CarXだからこそ可能な表現。

それらを資料から拾い上げ、ひとつのS13として再構築している。

だからこそ、本人がこの車を「集大成」と呼ぶのも頷ける。

そして、この一台を見たあとで改めて他のメンバーのクルマを見ると、また違ったものが見えてくる。

おりゅーさんのクルマにも、ハムさんのS15にも、わびあすさんのER34にも、それぞれ違った「こだわり」がある。

同じクラブでも、作り方は同じではない。

だからこそ、次はおりゅーさんのクルマをじっくり見てみよう。

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Chapter7

一台のクルマを、細かく見てみる――おりゅーさんの場合

ここまでINVADERZ.ccのクルマ作りについて話を聞いてきたが、実際にメンバーがどんなクルマを作っているのかも気になるところだ。

そこで今回は、メンバーのおりゅーさんとハムさんとわびあすさんのクルマを見せてもらった。

Chapter1でも紹介したように、おりゅーさんが得意とするのは、痛車やレーシング系。

実際に一台をじっくり見てみると、INVADERZ.ccが大切にしている「作り込み」という部分が、かなり分かりやすく見えてくる。

まず目に入るのは、クルマ全体のスタイリング。

エアロはミックスされているが、まとまりがあり、一見すると同じメーカーなのでは?と思ってしまうほど、各パーツの繋がりが自然だ。

ホイールはRAYS VOLK GT-Vをチョイス。ボディには、ROTORAのブレーキシステムをあしらったグラフィックが施されている。

そして、スポコンの定番であるアンダーネオンとNOSを外部に吹き出すスプレーも装着されている。

一枚の写真だけでも、拾える情報が多く、見どころの多いクルマだ。

しかし、少し角度を変えて見てみると、また違った部分が見えてくる。

サイドから見ると、車高やホイール、ボディライン、グラフィックの組み合わせがより分かりやすい。

まずはエアロ。おりゅーさんからいただいたアンケートによると、FバンパーとFフェンダーはチャージスピード製で、サイド、Rフェンダー、Rバンパーは別メーカーのものをチョイスしている。

これには、前後のフェンダーアーチを揃えるという理由がある。

そうなると、Fフェンダーとサイドのチリが合わなくなるため、URAS TypeGTのサイドカナードを上下反転させてセット。

しかし、そうすると前後のボリューム不足が生じてしまう。

そこは、フロントをNSX用ソーサリーのフロントリップ、リアにはNFS Unboundに存在するRディフューザーをセットし、バランスを整えた。

サイドのバイナルは実際に「NFS UG2」に登場していたバイナルをベースに配置。

これを軸に2004~2008年までの実物ROTORAデモカーにも使われたバイナルをあしらう。

そこからメーカー、クラブデカールなどを配置。

こうして見ていくと、単に「好きなパーツを集めた」ではなく、

前後のボリュームやラインを見ながら、一つひとつのパーツを組み合わせていることが分かる。

1台のクルマを、いろいろな角度から見て楽しめる。それも、おりゅーさんのクルマの面白さだ。

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外装だけじゃない「作り込み」

さらに車内へ目を向けてみる。

ドライバーシート、ナビシートともにRECAROのタンカラーのシートが入り、外から見える部分だけではなく、インテリアにも手が入っている。

リアシートも同じカラーで統一されており、センターにNOSボンベが男らしく鎮座。

クッションまで張り替えられている。

ステアリングやメーター周辺など、運転席から見える景色にも細かな要素や仕掛けが組み込まれている。

実際に乗ったら、「ドライバーをやる気にさせてくれそう」な内装だ。

至るところがタンカラーに張り替えられており、スポコンらしからぬ高級感も感じられる。

ステアリングはMOMO Spider、メーターはBLITZ。

ELメーターとネオン管でスポコンをアピール。

ドリンクホルダーにセットされた芳香剤。

HKSのVproもインストールされていて、このクルマの本気度が分かる。

こうした部分は、クルマを遠目から見ているだけではなかなか気付かない。

さらにエンジンルームを覗いてみると――

↑URAS製のボンネットは、ダクト部分のフィンがないのを逆手に取り、ガラスとスポットライトで煌びやかに見せている。ショーカーなどで見る手法だ。

吸気系などのディテールも確認できるのだが、これは凄い。

写真を見て一目で気がついた読者は猛者。

エアクリがちゃーんとステーで固定されている。

さらに、ホースもエンジンルームまできちんと取り回されている。芸が細かい。

些細な部分まで作り込まれているところに、彼らのクルマ作りへのこだわりが見えてくる。

そして足元に目を向ければ、

ホイール周りまで作り込まれている。

ここの素晴らしいところは、ワイドトレッドスペーサーを使い、ホイールの太さに説得力を持たせている。

こうして一つひとつ見ていくと、単純に「外装をカッコよくする」というだけではなく、一台のクルマを細部まで作り込んでいくというスタイルが見えてくる。

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クルマを彩る「細部」

↑NOS、ロックフォード、StreetGlowなど、スポコンらしさに説得力を持たせるアイテムが随所に配置されている。

そして、こうした作り込みはボディの細かな部分にも続いている。

フロントガラスにはINVADERZ.ccの大型バナーと、NFS UG2のハチマキ。

NFS UG2のロックポートと街並みをあしらったデザイン。こうした細かな作り込みに「凄いなぁ…」と感じてしまう。

こうした部分は、一枚の写真だけでは意外と見落としてしまう。

しかし、実際にクルマを追っていくと、細かなところにもそのクルマを構成する要素が詰め込まれていることが分かる。

そしてリアへ回ってみる。

↑まるでレーシングゲームのジャケットのような一枚。NFS Unboundのリアディフューザーが違和感なくセットされている。

フロントから見たときとは、また違った表情を見せてくれる。

正面、サイド、リア。

さらに車内やエンジンルーム、足元まで。

一台のクルマをいろいろな角度から見ていくと、「カッコいい」という第一印象だけでは分からなかった部分が少しずつ見えてくる。

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「カッコいい」の中身

おりゅーさんのクルマを見て面白かったのは、これまで話を聞いてきたINVADERZ.ccの車作りを、実際の一台を通して見ることができたことだ。

同じ車種やパーツを使ったとしても、作る人が違えば完成するクルマは変わる。

それは、単純にパーツをたくさん付ければいいという話でもない。

「どこに何を置くのか」

「どこまで作り込むのか」

「全体をどう見せるのか」

そういった細かな選択の積み重ねが、一台の個性を作っていく。

おりゅーさんのクルマも、最初に全体を見たときと、細部まで追って見たときでは印象が少し変わってくる。

こうやって一台のクルマを細かく見ていくと、コータさんが話していた

「クルマの“作り方”まで見る」

という言葉の意味も、少し分かるような気がする。

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Chapter8

「自分がカッコいいと思うもの」を作る――ハムさん

一方で、INVADERZ.ccのメンバーが作るクルマは、細部の作り込みだけが面白いわけではない。

ビルダーが違えば、クルマに込める考え方も変わってくる。

その中でも、特に印象的だったのがハムさんのS15 Silvia Variettaだ。

Chapter1でも紹介したように、ハムさんが得意とするのは海外系のドリ車。

しかし今回見せてもらったのは、本人にとって初めての本格的なスポコン系車両。

コンセプトを一言で表すなら、

「00年代末期の日本にいるスポコン(のはず)」

だという。

この「(のはず)」が、なんともハムさんらしい。

↑当時こういう仕様のクルマがTASなどに沢山出展されていた。今ほどコンプライアンスにも厳しくない、懐かしい時代。

まず目に入ってくるのは、低く構えたS15のスタイリング。

エアロはC-WEST。

黒のディープなホイールを履き、ボディ全体にはバイナルグラフィックが施されている。

一見しただけでも、かなり強い個性を持った一台。

そして、このクルマにはもうひとつ大きな特徴であり、最大の武器がある。

S15 Silvia Varietta。

つまり、オープン仕様のS15シルビアだ。

Variettaならではのオープンボディということもあり、通常のS15とはまた違った雰囲気になる。

そこにブルーのSPARCO製バケットシートや、ボディに合わせたバイナルグラフィック、ブランド名ステッカーが組み合わされている。

これらは当時のスポコンでよく見られたアイテムで、特にバイナルは、スポコンを語るうえでは外せない存在だった。

スポコンと聞いてイメージする「派手さ」はしっかり持ちながらも、単純にパーツを盛っているだけではない。ひとつひとつの要素が同じ方向を向いているのが、このクルマの面白いところだ。

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パッと見のインパクト、その裏側

フロント周りを近くで見ると、さらに細かな部分が見えてくる。

ボンネットには大きなグラフィックが入り、フロントフェイスにも複数のロゴやデカールが配置されている。

遠くから見ると「派手なスポコン」だが、近づいて見ると、どこに何を置くかまで考えられていることが分かる。

派手なクルマという印象とは裏腹に、ロゴやグラフィックの配置まで含めて、細部まで統一感がある。

だからこそ、派手さがありながらもひとつのクルマとして成立し、結果として「カッコいい」と感じさせる一台に仕上がっている。

↑今でこそファイバーテールなどのギミック付きが主流だが、黄金時代は各メーカーからテールも沢山の種類が販売されていた。

リアに回れば、大型のウイングとテール周りのデザイン。

サイドから続くグラフィックもリアまでつながり、クルマ全体に統一感を持たせている。

こうした要素が一台の中に混ざっているのを見ると、単純に「スポコンの定番を再現した」というより、ハムさん自身の好きなものを組み合わせているようにも見える。

もちろん、どこまでを意識して作ったのかは本人に聞かなければ分からない。

ただ、完成した姿からは、「自分がカッコいいと思うものをどう一台にまとめるか」という考え方が感じられる。

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クルマの中まで抜かりなく

そして、このS15は外装だけでは終わらない。

ルーフを開けて上から見ると、室内にはブルーのバケットシート。

さらに後方には、大型のスピーカーやモニター、ウーハーが鎮座。

ここも、当時のスポコンを知っている人ならピンとくる部分かもしれない。

魅せるための重要な部分であり、レイアウトにもセンスが問われるところだ。

走るためだけのクルマなら、ここまで大胆にオーディオを見せる必要はない。

でも、このクルマは「走るための道具」というより、見せることまで含めて一台のスタイルを作っている。

ボディだけではなく、室内まで含めてどう見せるか。

それを考えることで、クルマ全体のキャラクターが決まってくる。

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「正解」よりも、全体の雰囲気

ここで、ハムさんがこのS15について話してくれた言葉を思い出してみたい。

時代に合わないものはなるべく避けながら、自分の好きな要素を入れていく。

ただし、一番大事にしているのは細かい正解ではなく、全体の雰囲気。

そして本人曰く、

「パッと見でカッコよければそれでいい」

という。

このS15を見ていると、その言葉の意味が少し分かってくる。

例えば、すべてのパーツを「実際の00年代スポコンならこうだった」という答えに合わせるのではなく、当時の空気感をベースにしながら、自分がカッコいいと思うものを組み合わせていく。

だからこそ、実車としての完全な再現とは少し違う。

ただ、それでいいと思うし、むしろCarXだからこそ、そこに自由がある、とも思ってしまう。

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もし、こんなS15がいたら

ハムさんのS15を見ていると、Chapter5で触れた「実車として正しい」がすべてじゃない、という話にも繋がってくる。

どんなホイールを履かせるのか、どんなグラフィックを入れるのか、オーディオをどこまで見せるのか。

実際のクルマなら、性能やコスト、使い勝手など、さまざまな制約がある。

でもCarXなら、

「この方がカッコいい」

という理由だけで選んでもいい。

もちろん、厳密な当時再現を目指すのであれば、選ぶパーツや組み合わせはもっと絞られるかもしれない。

ハムさんが作ったS15は、まさにそんな「自分がカッコいいと思うもの」を一台に詰め込んだクルマなのかもしれない。

正解を探して作るのではなく、好きなものを足していき、最後に一台として成立させる。

それもまた、CarXにおけるクルマ作りのひとつの答えなのだろう。

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「実車として正しい」がすべてじゃない

ハムさんのS15を見ていると、CarXでクルマを作る面白さがもう一つ見えてくる。

例えば、実車では走行やクラッシュによる消耗、コストなどを考えて、あえて高価なパーツを選ばない場面もある。

でもゲームの中なら、そうした現実的な制約を気にせず「カッコいいから」という理由だけで選ぶこともできる。

これは実車の世界ではなかなか難しい。

実車を忠実に再現するのもいい。

実在するスタイルを追いかけるのもいいだろう。

その一方で、

「こんなクルマが実際に存在したら面白そう」

という想像を、そのまま一台の車にしてしまうのもCarXの楽しみ方だ。

ハムさんの回答からは、そんな“ゲームだからこその自由さ”が見えてきた。

ちなみにハムさんは、車作りに大きく影響を受けたものとして「Night-Runners」を挙げている。

このあたりも、実車の再現だけではなく、ゲームの中で作るクルマならではの感覚なのかもしれない。

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Chapter9

「やってみたい」を詰め込む――わびあすさんのER34

ここまで、おりゅーさんとハムさんのクルマを見てきた。

細部まで作り込む人もいれば、時代の空気感をベースに、自分の「カッコいい」を組み合わせる人もいる。

では、もう一人のメンバーのクルマを見てみよう。

今度紹介するのは、わびあすさんのNISSAN SKYLINE ER34。

その名も、

「SPORT-COMPACT? ER34」

本人に「このクルマを一言で表すなら?」と聞いたところ、

「やってみたいことを詰め込んだらこうなる」という答えが返ってきた。

この一言だけでも、なんとなくクルマの方向性が見えてくる。

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きっかけは「トランクが開く」

わびあすさんがこのER34を選んだ理由は、かなりシンプルだ。

「トランク開くやーん、スポコンやれるやーん」

だったという。

↑オレンジをベースにスポコンらしい存在感を演出。ブルーのデカールとバイナルが映える。

その後、SYSTEMというサーバーに入り、大量のオブジェクトが使えるようになったことで、

「これを活かしてスポコンを作りたい」

と思うようになった。

そこで見つけたのが、トランクを開けられるこのER34。

そこから、いろいろなアイデアを詰め込んでいった。

ここまでの話だけを聞くと、かなり自由な作り方に見える。

実際、その通りなのだろう。

完成したクルマを見てみると、その「自由にやった」という言葉だけでは片付けられない部分がある。

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トランクを開けると、そこはステージだった

このER34でまず目に飛び込んでくるのが、やはりトランクだ。

わびあすさんがモチーフにしたのは、なんと大型ステージ。

↑さながらショーカーのようなトランク。モニター、アンプ、ネオン、スピーカーの配置がとてもいい。

トランクの奥には大きなスクリーンをひとつ配置。

周囲には青いネオンを使い、レーザーを演出している。

さらに、反対向きに配置されたスピーカーは、音を聞くためというよりも見た目を重視したもの。

ステージにあるスポットライトをイメージしているという。

そしてトランクの裏側には、3連モニター。

ステージから離れた席からも見える大型モニターをモチーフにしている。

クルマのトランクを開けたら、そこにステージが現れる。

もう、普通のスポコンというより、「クルマを使ってひとつの世界を作っている」という表現のほうが近いかもしれない。

ちなみに本人曰く、

「トランクを閉めたら多分壊れます笑」

とのこと。

このあたりの遊び心も、なんともCarXらしい。

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もうひとつの見どころは「ヘッドライト」

もちろん、このER34の見どころはトランクだけではない。

わびあすさんが「ぜひ見てほしい」と話してくれたのが、ヘッドライトだ。

ここにはバイナルを使って、ヘッドライトカバーを作っている。

ウインカー部分を隠しつつ、バイナルに少し透明度を残すことで、ウインカーを点灯したときだけ光が現れるようにしているという。

これは写真で見ただけでは、なかなか気付かない部分かもしれない。

でも、こうした小さな仕掛けを入れることで、クルマの表情が変わる。

↑ライトオン。デカールで隠れてる部分が浮き上がる。なかなかシャレオツだ。

「ライト部分にバイナルを貼れるクルマなら、ぜひ試してみてほしい」と、わびあすさん。

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「他と同じ」は嫌だから

わびあすさんがクルマを作るうえで大切にしているのは、他とは違うものを作ること。

自分がカッコいいと思うスタイルには、USスタイルやスポコン、車高短といった共通点がある。

一方で、仕様を決めるときには、

「何とかして他と違うところを作って個性を出すこと。被るのはやっぱり嫌ですね笑」

と話している。

だからこそ、実際には存在しないようなクルマを作る。

非現実的と言われれば、それも間違いではない。

でも、

「おぉ」と言わせたい。

それが、わびあすさんのクルマ作りのひとつの軸になっている。

そのために、NFS ProStreetの要素を取り入れることもあるという。

実車を忠実に再現することだけがクルマ作りではない。

実在するカルチャーをベースにしながら、自分の頭の中にある「こんなのがあったら面白い」を形にする。

このER34は、まさにそんな一台だ。

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知識よりも「やってみたい」

わびあすさん自身は、自分のクルマ作りについて、

「知識が無いなりに自由にやらせてもらってます」

と話している。

かなり控えめな言葉にも聞こえる。

しかし、実際のクルマを見ていると、知識の多さだけがクルマ作りのすべてではないようにも思えてくる。

「ここにスクリーンを置いたら面白そう」

「この向きにスピーカーを置いたらステージっぽい」

「ヘッドライトをバイナルで隠したら面白いんじゃないか」

そんな発想を、実際にCarXの中で形にしていく。

もちろん、クルマを作るうえで知識は大きな武器になる。

でも、それとは別に、

「これやってみたい」

と思ったことを実際にやってみることも、CarXならではの楽しみ方なのかもしれない。

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「凄い人たち」の中に入って

そんなわびあすさんがINVADERZ.ccに入ったきっかけは、SDDLだった。

そこでコータさんに存在を知ってもらい、スポコン繋がりで声を掛けてもらったという。

加入前のINVADERZ.ccについては、

「走り、ビジュ、こだわりが強すぎる全てのお手本」

という印象だったそうだ。

実際に入ってみると、その印象は大きく変わったわけではない。

ただ、

「イケてるクラブだけど、みんな新参者にも優しい!知識も凄いんですよ笑」

という。

そして、本人がクラブの魅力として挙げたのが、SDDLの審査員を務めるメンバーが所属していることだった。

知識や走りについて、

「いつになっても勝てる気がしません笑」

と語る。

そんなメンバーたちと一緒にクルマを作りながら、自分なりのスタイルを探していく。

これもまた、INVADERZ.ccというクラブの面白いところなのだろう。

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Chapter10

メンバーが違えば、好きなジャンルも違う

ジャンルが違っても、なぜ「INVADERZ.cc」に見えるのか

ここまで、おりゅーさん、ハムさん、わびあすさんのクルマを見てきた。

↑LBさんのセブン。本当にCS?と疑ってしまうくらいスポコンとしての雰囲気がある。

そして、もう一人。

LBさんのクルマを見ても、また違った方向性が見えてくる。

LBさんはCS勢ということもあり、特定のジャンルだけに縛られず、幅広いスタイルのクルマを作っている。

↑海外のクルマもお手のもの。圧倒的な存在感がビューティホー。ジャンルを限定しない。

おりゅーさんのように資料を掘り下げる。

ハムさんのように時代の空気を取り入れる。

わびあすさんのように「やってみたい」を形にする。

そしてLBさんもまた、自分なりの「カッコいい」をクルマに落とし込んでいる。

作るクルマは違う。

でも、完成したクルマには、どこか共通した匂いがある。

同じクラブに所属していても、クルマの作り方はまったく同じではない。

むしろ、それぞれに違った方向性がある。

では、その共通点はどこにあるのだろうか。

その答えは、もしかすると「何を作るか」ではなく、**「どう作るか」**にあるのかもしれない。

コータさんは、INVADERZ.ccのメンバーについて、

「案外オールジャンルいけるじゃんと思ってます笑」

と話している。

さらに、

「多分ウチらにかかれば何作らせてもかっこいいんじゃないですかね。笑」

とも。

もちろん、これはコータさん自身の言葉なので、少し冗談も含まれているのだろう。

でも、ここまで実際のクルマを見てくると、単なる冗談にも聞こえなくなってくる。

スポコンを作る。VIPを作る。レーシングカーを作る。ドリ車を作る。

ジャンルそのものは違っていても、

「どうすればカッコよく見えるのか」

「このパーツを入れる意味は何なのか」

「このクルマをどこまで作り込むのか」

そうした部分を考えながら、一台を作っている。

おりゅーさんは、資料をもとに細部を積み上げる。

ハムさんは、時代の雰囲気と自分の感性を組み合わせる。

わびあすさんは、自由な発想を形にする。

LBさんは、CSでも自分流のカッコいいを具現化する。

アプローチは違っていても、クルマをただパーツの集合として扱っていない点は共通している。

それぞれの答えは違っていても、クルマに対する向き合い方には共通する部分がある。

だからこそ、バナーがなくても「INVADERZ.ccの人だ」と分かる。

Chapter1でコータさんが話していた“バナーがなくても分かるクルマ”とは、同じ仕様のクルマを作ることではない。

自分の好きなジャンルや表現を持ちながら、一台のクルマを自分なりに成立させること。

その積み重ねが、結果としてクラブ全体の雰囲気を作っているのだろう。

それが、INVADERZ.ccらしさの正体なのかもしれない。

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Chapter11

「同級生の集まり」みたいなクラブ

そんなメンバーの関係性について、コータさんはINVADERZ.ccを、

「同級生の集まりみたいなもの」

と表現している。

年齢や立場に関係なく、同じ「カッコいい」を共有している。

活動もかなり自由。

毎回全員で集まるわけでもない。

それぞれが好きなときに、自分の作りたいクルマを作る。

それでも、時々みんなが集まると、なぜか同じ空気を持ったクルマが並ぶ。

ハムさんから見ても、INVADERZ.ccは「カッコいい人の集まり」という印象で、加入前と加入後でそのイメージは変わらなかったという。

そして、クルマだけではなく、クルマ以外の趣味まで似ているらしい。

こういうところを見ると、クルマを合わせているというより、人間そのものの好みが近いのかもしれない。

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Chapter12

名前が知られていった瞬間

クラブは、コータさんとおりゅーさんの二人から始まった。

そこからLBさん、ハムさん、わびあすさんなどが加わっていく。

そして、メンバーが揃って配信に登場することも増えていった。

そんな時、配信コメント欄から、

「やっぱりこの人たち凄いな」

「憧れるなぁ」

という声が出るようになった。

コータさんは、その時に感極まって泣いたという。

最初は一台のEclipseから始まった。

それが少しずつ人を増やし、名前を知ってもらい、誰かから「憧れる」と言われるまでになった。

CarXという小さなコミュニティの中での話ではある。

でも、自分たちが作ったクルマを見て、誰かがそう思ってくれる。

これは、車を作る側からすれば嬉しいことなんじゃないだろうか。

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Chapter13

CarXは「走るだけ」じゃない

最後に、コータさんから出てきた言葉が今回かなり印象に残った。

「CarXって走るだけではないってところです。魅せることも腕のひとつ。かっけえ車は人の心を動かす力があります。」

CarXというと、どうしてもドリフトのイメージが強い。

でも、クルマを作る。

それを見せる。

写真を撮る。

誰かに「カッコいい」と思ってもらう。

それだって、CarXの遊び方のひとつだ。

INVADERZ.ccがやっているのは、まさにその部分なのかもしれない。

走る技術だけじゃない。

「魅せる」ことも腕のひとつ。

CarXでもリアルでも、ドレスアップを楽しんでいる人には、刺さる言葉だと思う。

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Chapter14

目指すのは「スポコンといえばココ」

結成から、まだ1年ほど。

それでもINVADERZ.ccには、これからやりたいことがある。

そのひとつが、CarXでのドレスアップイベント。

そして、コータさんが掲げる目標は、

「スポコンといえばココだよね」

と言われる存在になること。

スポコンを軸に始まったINVADERZ.cc。

でも、メンバーが作るクルマはスポコンだけではない。

VIPも、レーシングも、痛車も、海外ドリフトも、架空のレーシングカーもある。

ジャンルは違うし、作り方も違う。

それでも、クルマを並べると、そこには「INVADERZ.ccの雰囲気」がある。

同じバナーを貼っているからではない。

好きなものが近くて、クルマの作り方にも共通する部分がある。

だからこそ、

「あ、この人INVADERZ.ccの人だ」

と分かる。

そんなクルマを作る人間たちが集まっている。

編集後記

たかがゲーム、されどゲーム。

その楽しみ方は十人十色で、思想もスタイルもバラバラだ。

だから色々な発想や世界観が生まれ、それにヘッズ達が魅了され、「やってみたい!」となり、また新しいものが誕生する。

実車の世界でもそうだが、足し算ばかりでも、引き算ばかりでもうまくいかない世界。

その時代のクラシックなカルチャーに想いを馳せて、解釈と理解を繰り返し、再構築することで、また新たなスタイルが数多のビルダーによって誕生する。

他のプレイヤーに、クリティカルに喰らわせるワンショットでも大変なのに、彼らはそれを連続して見せてくる。

そして人を魅了し、他のプレイヤーの心を「侵略」する。

一台の黄色いEclipseから始まった、カーカルチャーへの“侵略”。

INVADERZ.ccの侵略は、まだ始まったばかりなのかもしれない。

2026年9月22日

Written by: Midnight★トウサツブ


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